タイトルが終わっていて申し訳ないのだが、これは推し香水を頼んだというレポである。
この手のレポではあまり見かけない失敗談もあるのでよければ何かの参考に。
ただし死ぬほどキショいです。
推し香水遍歴
そもそもの大前提として、過去の推し香水遍歴について説明させてほしい。
FINCA(東京都新宿区)
事前に書いたオーダーシートをもとに、お店の人からのヒアリングを受けつつ、既製品からイメージに合うものを選ぶタイプの推し香水。一次創作に限らず自分に版権がないキャラや実在人物などの香水もOKだが、名前を出してはいけない。
当時のわたしは下ネタ好きで熱いけどツンデレキャラでもあり、やらかして謹慎中(当時)の声優と書いたシートを提出。お察し。
対面だけあって、これだと思う香りを決め打ちしやすかった。
Scently(通販)
オーダーシートに怪文書を書くと、会社オリジナルの香水の中から最適なものが選ばれ送られてくるタイプの推し香水。こちらも自分が権利を持たないキャラ名や人物名でもオーダーは可能だが、名前やコンテンツ名を明かす等の直接的な言及はNGである。
球を7つ集めてギャルのパンティをせがむなどの行為が有名なアレの、主要人物で唯一サラサラヘアの男でオーダーした。
後ほど詳しく説明。
Celes(通販)
怪文書を送りつけると、市販されている香水の中から最適な品が選ばれ送られてくるタイプの推し香水。
こちらはキャラ名記載必須につき、必然的にオーダーしたキャラがバレる。キャラ名が明かせるので、コンテンツ名も明かしてたぶん大丈夫。前回はドラゴンボールのトランクスとベジータでオーダーした。今回のもこれ。
詳しくは後ほど。
推し香水の失敗談
結論から言うと、過去3回のチャレンジのうち通販型の2回でどちらも盛大に失敗している。そんなことあるんだ。
というわけで、簡単に“どこで失敗と感じたか、またその原因と思われる部分”を説明していきたいと思う。
Scently
求めたもの:甘めの匂いor綺麗系お姉さんの匂い(いじらしくてかわいいので)
来たもの :爽やかなシャンプーっぽい匂い(好青年なので)
- 私の好きなところを語るために当該キャラのバックボーンから説明してしまった
当該キャラの抱える“込み入った事情”に興奮していたため。説明に尺を割きすぎて「私が求めているもの」の部分がぼやける本末転倒を起こした。 - 作品を知っている人なら私の説明で即誰だかわかるレベルで著名なので、パブリックイメージに引きずられた可能性が高い
また、私の説明には「何を求めているか」のパッションが欠けており、肝心の部分を説明できていない点に留意すること。 - シーシャ屋に甘やかされていた
推しシーシャに通っていた頃、作品が著名すぎてキャラ名しか伝えずとも100%正解みたいな解釈がすっ飛んできたのでその感覚に慣れすぎて言語化が下手になっていた。
「(作品名)の(キャラ名)で!」と伝えるだけでいい環境に慣れすぎた弊害。
という具合に「いい匂いだけどこれじゃなかったな」と思うものが返ってきたため敗北となった。
Celes
求めたもの:甘い匂い(トランクス)、熱と色気のある匂い(ベジータ)
来たもの:爽やかきゅうり(トランクス)、電車で隣に来たらちょっと嫌な濃さの匂い(ベジータ)
- キャラ名を明かす以上は省略可能なバックボーンをついつい解説してしまった
女性のドラゴンボール認知度が低いこと、香水を選ぶ人の性別がわからないことが敗因となった。 - 「どこが好きか」を語ることに注力しすぎて「何を求めているか」が疎かになっていた
今回の経験から、絶対にこっちを主軸に語ったほうがいいと思った。ベジータはまだマシだったがトランクスで結構この点事故ったと思っている。マジで。 - シンプルに香りが苦手だった(特にトランクス)
解釈が若干ずれてはいたものの、香水の名前がニードユーでかなり解像度が高いとは感じた。しかし、一点強烈な問題があった。苦手な香りに「瓜系の青臭さ」と書いたのだが、何故か爽やかなきゅうりが届いてしまったことである。なお、わたしがこの世で一番嫌いな食い物はきゅうりである。
香りの感じ方は人それぞれだし……私の鼻がアレなだけかも……と口コミを調べたところ、複数人が「瓜」とか「青臭い」と書いていたので、ちょっと怒った。苦手ってちゃんと書いたのに……。
あとベジータのほうもかなり酔いそうな香りで若干苦手だった。爽やかなきゅうりに比べればマシなのだが。
といった具合に、説明が至らなかった上にシンプルに香りが苦手が勝ってしまい敗北となった。
そもそもの話
キッショい本題に入る前の息抜きとして、少し話を聞いてほしい。わたしは甘くて濃いタイプの香水が大好きだ。特に好きなのはDIORのプワゾンガールで、あの強い甘さと蠱惑的な香りをこよなく愛している。
ほかにはイヴ・サンローランのモンパリやジルスチュアートの香水も好きだ。ジルスチュアートだけ商品名ではなくブランド名で恐縮なのだが、概ねどういう傾向の香りかは想像してもらいたい。
甘ったるいのが好きなのだ。柑橘系はキャラじゃない。
本題
さて、ここからが今回の本題である。
私はなぜ、一度ならず二度までも解釈違いを引き当て事故ったというのに、懲りずに香水を頼んだのだろうか。
まず、シンプルに新しい香水と出会いたかったのが一つ。これは文字通り「なんか新しい香水欲しいな」と思ったという、それ以上でも以下でもない話である。
そしてもう一つが、もう香水を頼むでもしない限り供給ねえなこれという思いだった。
供給。そう、供給の問題である。隠しても仕方がないのでどの作品の誰を香水で頼んだかを先に言ってしまうが、今回私は一部の方のご推察通り『夫を味方にする方法』のチェシアレで香水をオーダーした。そうでしょうね。
異常兄への異常な興奮がおさまらないのでそろそろこの化け物を殺して欲しい。
読み飛ばしてもらって構わない余談
もし、わたしがオーダーという手段を思いつかずにいたら、おそらくきっとヴァレンティノの香水を買っていたと思う。
何故ならば彼は、作中で何故かバレンティーノ枢機卿と呼ばれているからだ。なぜこんな呼ばれ方なのかは特に説明がないので不明だが、十中八九、彼のモデルとなったチェーザレ・ボルジアがヴァレンティーノ枢機卿(俗還後はヴァレンティーノ公)と呼ばれていたのが由来だろう。そう考えるとほら、もうほぼ本人じゃん。ブランド名が。ヴァレンティノって。ほら。
ただ、少量を試しに購入といった買い方ができなかったため断念し、今回の「なんでもいいから届けてくれ」系のオーダーとなった。もっとも、レディースでよければ原宿のアットコスメで嗅げるのだが。わたしが嗅ぎたかったのはメンズなのでね……。
彼のキャラクター性に関しては再三あらゆるところで説明しているので改めて言及することは避けるが、とりあえず一つだけ言えることがある。
この男ならば、シャンプーの匂いや爽やかなきゅうりが届くことは絶対にない。
考えてもみて欲しい。彼は妹に執着しながら虐待で繋ぎ止めようとする哀れで全部が間違っている男だ。爽やかきゅうりシャンプーの可能性どこにもねえだろ。対極だろ。というわけで頼んだ。チェシアレと明記して。
ただ、今回の怪文書もしっかりバックボーンは語らせてもらった。コンテンツ知名度がアレなので逐一説明しないと細かなことは伝わらないし、名前を検索しただけで、彼のことがわかる情報を探すのはほぼ不可能だ。
X(元Twitter)で検索すれば多少は出てくると思うが、半分は罵詈雑言、もう半分はガンギマリの目をした化け物のようなオタクたちの呻きなので、はい……。
なお、言うまでもなく私は後者である。そうでしょうね。
今回の成果
実は今回、同一人物で2種類の香水をチョイスしてもらっている。一つは「私の解釈から読み取ったもの」で、もう一つは「本人がつけていそうなもの」だ。
というわけで、せっかくなのでそれぞれを説明していきたい。
まず、私の解釈から届いたもののほうから説明しよう。
※記事執筆時点でひっでえ風邪をひいてしまい、嗅覚が不安定ですのでその点ご了承ください
Laboratorio Olfattivo Nerotic(ウサギ解釈)
予想:たぶんエロい匂い
実物:寺
すっげ〜〜〜寺!!!!!!!!
もう完全に寺。近所のやたらでっけ〜寺で振りまこっかなと思った。すごく寺。
なんなら肌乗せしてもやっぱり寺だった。手首が寺。でもなんか奥行きがエロいんだよなこの寺。
嗅覚終わっちゃったほうの鼻で嗅ぐと寺感消えて甘くなるし。逆になにこれ。左右の鼻で匂いが違うぞ。
ただ、この香水に悪い印象はなく、むしろチェシアレお兄ちゃんあれで聖職者だもんな……と頷いてしまったので正解だと思う。いや、寺と教会だと宗教が違いすぎるが。それはそれ、これはこれ。
とにかく第一印象が「あーこれ寺の匂い」といった仕上がりなのだが、香り自体に深く奥行きがあり、ある種のミステリアスさを伴った表向きの香りの後ろには拭いきれないセクシーさが付き纏っている。
甘いタバコの煙とレザー、そしてアニマリックな匂い。妙に危ない男の香りだ。
片方の鼻があまり匂いを感じられなくなっているのでどこまで正確に嗅げているのかわからないのだが、一見すると神秘性やミステリアスさがあるくせに、裏はしっかりどうしようもないところと、よろしくない方向にエロいところがかなりチェシアレだなと思った。本人はエロいことダメなのにな!(性嫌悪持ちなので……)
※などと書いていますが、こいつは自分で「エロさが欲しいです」とオーダーしています。だってエロいから……。
なお、商品ページの説明文は以下のようになっていた。
影があり、奇妙で魅惑的。神経質でエロティック、ハードエッジな高音。タールと煙のぼやけた背景に明るいレッドフルーツと鋭いスパイス。ドライなミネラル感を経て始まる第二ステージは湿った煙が雨の歩道に広がる吸いたてのシガリロのように、わずかに甘いタールがドライな優美さを漂わせます。ほこりっぽいサフランと柔らかくて使い古された革、正体不明の甘さが底流に流れ、気まぐれな口づけのように消えていく、エッジの効いたダークな香りです。
あーありがとうございます助かります兄です。香りとかよりももはやこのテキストが一番兄かもしれない。いや香りも“そう”なのだが。
ところでこれは余談だが、実は前述の爽やかきゅうりも同一ブランドの香水だったりする。
あちらは瓜系なのでかなり嫌いだったが、これは好きだ。寺だけど。すっごい寺だけど。
っていうかなんか……、イタリア人ってコンセプトが極端な香水が好きなんですかね……?(※本香水はイタリアのブランドのものです)
Penhaligon’s Endymion Concentre(付けていそうなもの)
予想:ウサギ解釈とは真逆の万人ウケしそうなやつ
実物:これ付けてたらめろすぎてキレる
身綺麗で社会的地位が高そうな男の匂いがする。トップノートのラベンダーやセージが「無難だな……」と思わせてくるのだが、次第に甘さとレザーっぽさを帯び始め、段々と胡散臭くなっていく。そういうところだぞ。
あと「でもあの男からこの匂いがするんでしょう……?」と腹立たしさが込み上げてくる。腹が立つ。非常に腹が立つ。っていうか二つともレザーの匂いがするのが解釈一致でウケる。
かなり落ち着きのある香りなのでそれなりの年齢の男性というニュアンスがあるのだが、チェシアレの場合はむしろこういうのじゃないと似合わないと思う。推定20代だけど。
パウダリーとかフローラルではないと思うし、ムスク系の分かりやすいエロさも違うと思う。いや石鹸系の香りがしたらそれはそれで興奮するけど、香水として選ぶことはないと思う。あえて付けるならこの「綺麗なのになぜか若干胡散臭い」路線。わかる。すっごいわかる。
そういうわけで「まあそうでしょうね」と言いたい。そして、私は心から「これを付けていたら……、マジで腹立つなめろすぎて……」と思った。めろすぎるだろ。
ちなみに商品説明は
「エンディミオン コロン」のギリシア神話のメンズ・フレグランスの世界観をより濃厚にしたオードパルファム。「Luna」のペアフレグランスとして誕生しました。ラベンダーやセージの香りに包まれたシャープなベルガモットからはじまり、コロンで使用されていたコーヒーアブソリュートの代わりにスエードがゼラニウムとブレンドされ、センシュアルに香り立ちます。そこにより強烈な印象を残すレザーとクリーミーなナツメグ。男の官能美を引き立たせる、スーツスタイルにもぴったりなフレグランスです。【メンズ/ウッディ/オードパルファン】
となっており、確かにめちゃくちゃスーツのイメージだなと思った。本人はルビと踊ったあの時に礼服姿だった以外はほぼずっとカソックなのだが。まあスーツもカソックも似たようなもんだろ(違います)
おわり
というわけで香水を買った話をさせてもらった。
今回学んだことは一つ。何を求めているかを明示的に書け。以上だ。
それにしてもキショいなこのブログ。